獣医師人生の1つの区切りが来ました。 自分がNOSAIに就職してから、公私で最もお世話になった酪農家のAさんが酪農業を終えることになりました。 理由は、おじさんの体調不良が最終的な決断になったとのことです。 おじさんは以前から肺が悪かった(肺気腫)…
この言葉は、1998年フランス代表がワールドカップで初優勝したときのアシスタントコーチであるロジェ・ルメール氏の言葉です。ワールドカップは4年に1回ありますが、この年のワールドカップはフランスの自国開催だったので、何が何でも良い成績を収めなくて…
2つ、前に進めた。 ①大学生の診療業務体験研修受け入れ ②歴史を変える休日取得 1つ目は、大学生の診療業務体験研修受け入れです。 さっそく令和5年度の4月から開始することができるようになりました! 頼れる後輩が、診療所紹介や大学生へのメッセージなどを…
今年の目標を立てました! ① 日本バスケットボール協会コーチライセンスE級取得 ② 所属NOSAI診療所の働き方改革:皆の超過勤務時間を減らす ①について、 娘たちが所属するバスケットボール少年団では、ボランティアでいつも頑張ってくださっているコーチ陣へ…
自分が所属するNOSAI診療所が、久しぶりに獣医大学生の臨床研修を担当することになりました!!!バンザーイ!!! この動きを進めてくださった諸先生方に感謝いたします。 日高では、2次診療施設の家畜高度医療センターが何十年も大学生の研修を行ってきま…
CIDRを抜くと同時にPGF2αを投与すべきなのか、抜く前日にPGF2αを投与するべきなのかについて少し考える機会がありましたので、自分の調べられる限りでまとめてみました。 牛の排卵同期化(Synchronization of ovulation)・定時人工授精(Timed artificial i…
初乳給与は、子牛の発育と疾病予防にとって絶対欠かせない非常に大切なイベントです。 これは、これから数年~数十年後もまだそうかなと自分は想像します。 現時点では当然のことですので、新しい情報提供というわけではありませんが、初乳がどれほど大事か…
前回は、論文作成中の考察の書き方について、過去の文献を調べ、「どこが同じなのか、どこが違うのか、どこが新しい点なのか」をストーリーの形にして考察を組み立てることの重要性を説明しました。そのため、文献を調べられる限り調べることが必須になると…
連日のW杯のため、ほとんどの時間AbemaTVにくぎ付けの日々が続いている自分ですが、皆さまは寝不足は大丈夫でしょうか? 今回は、論文の書き方について、僭越ですが少しお話したいと思います。 この1年、日本の臨床獣医師の先生方が、日々忙しいなかの貴重な…
若い先生方や中堅の先生方で、 ① もっと腕を上げたい ② 伸び悩んでいる ③ もっと何かに深く打ち込んでみたい など、自分の能力、獣医師としての存在意義、自分のポジション・役割はなんだろう、と考えていらっしゃる先生方に少しでも参考になれば良いなと思…
CIDRを用いた定時授精プログラムには、大きく分けて二つの考え方があります。 今回ご紹介する2022年に発表されたこの文献は、ホルスタイン搾乳牛において、その2つを合体させた内容です。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov いきなり結論です! CIDR挿入時におけるEB…
自然発情時の人工授精時に、排卵促進剤を追加で投与されていますか? 授精現場では昔から良くある話だと思いますが、農家さんから聞かれても自分は本当のところどうなのか、わかりやすく詳しく説明することができませんでした。 「投与した方が受胎率が高く…
私のブログへのアクセス数が10000回に到達しました! これは本当に、日々お忙しいにもかかわらず、時間を割いて読んでくださっている読者の皆様のおかげです。 感謝感激です!!!ありがとうございます!!! daisaku-nosai-hokkaido.hatenablog.com 2021年1…
先日、苫小牧でスキージャンプのレジェンド、葛西紀明選手の講演会に、義理の両親と一緒に参加してきました。 現在50歳、冬季オリンピックに世界最多の8回出場し、いまだ国際大会にも参加して飛び続けているのには何か理由があるのでは、と思い、その気持ち…
今年から大動物獣医療の雑誌である「家畜診療」の中央編集委員を担当しており、その一部として、その年に家畜診療に投稿された日本全国の先生方の研究論文、症例報告、短報の中から「家畜診療賞」という年間優秀賞を選ぶ仕事があります。 選ぶためには、今年…
昨日、自分が獣医師になりたいと決めた映像を久しぶりに見ました。 娘が馬が大好きで、町主催の馬が好きな子供たちが集まって馬について様々な体験を行える、うまキッズ探検隊に参加しているのですが、その影響もあって娘たちがアマゾンプライムで「ウマ娘 …
クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens:通称ウェルシュ菌)によって腹部膨満し急死した51日齢の黒毛和種子牛がいました。 今までクロストリジウムと子牛の関係といえば、壊死性腸炎を考える程度で、クロストリジウム感染症と哺乳…
3日前、後輩を叱った。 牛の病気に対して”おこがましい”診療姿勢をとったからです。 状態が非常に悪い子牛を初診で診療し、診断し、治療を行っていました。 事情を聞きました。 似たような状態の子牛を診たことがあり、その時に診療所の先輩から教えてもらっ…
ホルモン剤を用いて人工授精をほぼ100%行う方法として、以前にPG → 24時間後PG → 約32から34時間後(次の日の夕方)GnRH →16-20時間後定時授精、のショートシンク法を紹介しました。 daisaku-nosai-hokkaido.hatenablog.com 今日は、PGからのショートシンク…
発情周期のステージ推測のシリーズは今回が最後になります。 農家さんへの聴き取り、牛の状態、直腸検査、エコー検査、膣検査などの様々な情報をし収集し、それらを“総合的”に考察することが大切です。 1つのや2つの項目だけで判断するよりも、多くの項目か…
昨日に引き続き、’’超音波検査’’を用いた発情周期のステージ予測における考え方について説明します。 昨日は、①卵胞ウェーブと子宮所見から診る発情ステージの推測法、についてでしたが、今日は、②黄体から診る発情ステージの推測法について勉強していきたい…
今日からは、’’超音波検査’’を用いた発情周期のステージ予測における考え方に焦点を当て勉強していきたいと思います。 ①卵胞ウェーブと子宮所見から診る発情ステージの推測法 ②黄体から診る発情ステージの推測法 がありますが、今日は➀についてです。 ➀のキ…
今日は、発情周期のステージを推測する実際の方法について、どういうポイントを聴き、診ているのかについて、臨床現場で自分が行っている内容を簡単に整理してみました。 農家さんの発情観察による前回の発情日 前回の発情後出血日 前回の人工授精日 前回の…
以前にまとめた、「発情周期のステージを推測するための方法」をアップデートしました。今回から複数回に分けて読者の方々と勉強していけたらなと思います。ご意見や疑問等ございましたら、是非一言いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 初回は…
発情周期のステージを推測する方法について現在記事をまとめ中で、提出期限がもう目の前にきて焦っている最中です。 今回その記事のために、繁殖検診時にわかりやすい所見があれば画像をとるようにしました。 その中で、発情10-11日目、つまり第2卵胞ウェー…
日本獣医師会雑誌の最新号にこのような文献がありました。 www.jstage.jst.go.jp 引用元 日獣会誌 75 e122-e127 (2022) あくまで大学の動物病院における、獣医学生と模擬クライアント(ペット飼育経験がある一般市民)、ペットは実際の動物ではなくぬいぐる…
馬の繁殖シーズンが終わり、やっとこさ早朝の勉強時間を確保できるようになりました。 今回の文献紹介ですが、いきなり結論です! 未経産牛への発情7日目でのPG投与による発情誘起は、連続2回投与が良い。 教科書にも載っているし、昔から良く行われている発…
プロ野球の世界で多くの人財を遺された故野村克也監督の書籍にあった言葉です。もともとは、江戸時代後期の肥前国平戸藩の藩主である松浦静山の剣術書、『常静子剣談』の中の一節からの言葉であることを後に知りました。 サッカーをしていた経験からも、本当…
「医者は聡明な人間ではなく、深みのある人間が良い。深みをもて。」 韓国ドラマ、チャングムの誓い34話で、シン・イクピル教授が主人公のチャングムに伝えた言葉です。 この言葉は、獣医師として自分が大切にしていることで、目指すところでもあります。 こ…
今年度から、新しい仕事を担当することになりました。NOSAIを辞めた訳ではありません 全国農業共済協会(NOSAI協会)出版の家畜診療誌の中央編集委員です。 これまでは、地方編集委員を担当し、誌面に取り上げてほしい記事を自分で考えたり、NO…