だいさく NOSAI獣医日記

強みをみつけ、チャレンジを与えられる獣医でありたい

子牛

分娩予定日15日以内の黒毛母牛の血液検査で、子牛の初乳獲得免疫を予測?!?!

特に黒毛和種子牛の下痢症を予防するためによく言い伝えられていますのは、 ①妊娠末期の母牛の栄養管理(1) ②初乳の十分な摂取 ③哺乳管理 ④ワクチネーション ⑤飼養環境管理 などがあると思います。 この中で個人的に興味があるのが、①が絡んだ②です。 はた…

子牛が娩出された時の後肢吊り下げは必要か?

呼吸を促進するために、生まれた子牛の頭を下にして吊るすという行為。 賛否両論あり様々な記事やホームページでこのことについて解説されていますが、科学的に検証した文献を示している記事を自分は未だ見たことがなく、勉強不足でした。 なので今回は、そ…

超音波検査を用いた卵胞嚢腫の診断(3㎜の考え方)

卵胞嚢腫は、卵巣静止、子宮内膜炎と並び牛の繁殖障害の代表格であることはご存じの方は多いと思われます。 また、卵巣にできる嚢腫は、卵胞嚢腫、黄体嚢腫、嚢腫様黄体とあり、基本的にはその大きい嚢腫が卵胞なのか黄体なのかを区別、診断した上でそれに応…

20000PV(ページビュー)達成の感謝

お陰様で、私のブログのPV(ページビュー)が20000回に達しました!!! ここまで続けてこれたのも、ひとえに不定期でかつ一回あたりの文章が長すぎる私のブログを時間を使って読んでくださっている読者の皆様のおかげです。 ありがとうございます!!! …

母牛の初乳はやはり大事!(腸炎と呼吸器病予防のためには)

初乳給与は、子牛の発育と疾病予防にとって絶対欠かせない非常に大切なイベントです。 これは、これから数年~数十年後もまだそうかなと自分は想像します。 現時点では当然のことですので、新しい情報提供というわけではありませんが、初乳がどれほど大事か…

ブログアクセス数10000回の感謝

私のブログへのアクセス数が10000回に到達しました! これは本当に、日々お忙しいにもかかわらず、時間を割いて読んでくださっている読者の皆様のおかげです。 感謝感激です!!!ありがとうございます!!! daisaku-nosai-hokkaido.hatenablog.com 2021年1…

クロストリジウム感染症とミルク濃度(浸透圧)の関係

クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens:通称ウェルシュ菌)によって腹部膨満し急死した51日齢の黒毛和種子牛がいました。 今までクロストリジウムと子牛の関係といえば、壊死性腸炎を考える程度で、クロストリジウム感染症と哺乳…

最新論文タイトル紹介(2022年1月号)

自分がちょっとだけ自分の強みだと感じている分野である牛の繁殖や栄養、子牛について自分が興味をもった最新の論文のタイトルを日本語で紹介させていただいています。少しでも日々の診療の参考にしていただければ幸いです。全て英語ですが、全文読めるのも…

ビタミンA欠乏と大腸菌性下痢症の関係

わかってはいましたが、馬の繁殖シーズンが始まると、がらりと生活リズムが変わり、如何に睡眠をとるかばかり考えてしまい、なかなか調べたり書いたりする時間がとれず、久しぶりの記事です。 今回は、「ビタミンA」について考える機会がありました。 黒毛…

最新論文タイトル紹介(2021年11月号)

毎月、自分が所属するNOSAIの掲示板に、自分がちょっとだけ自分の強みだと感じている分野である牛の繁殖や栄養、子牛について自分が興味をもった最新の論文のタイトルを獣医師仲間に紹介させていただいているのですが、今月からはこのブログでも紹介させてい…

子牛がミネラルを舐めるのはなぜか?

この2日間で体重の話を続けていますが、生まれた子牛たちの体重や体格についてもちょっと考えることがありました。 生後7日くらいから14日の母牛同居の黒毛和種子牛で、下痢で悩まれている農家さんがいらっしゃいました。その農家さんから、餌箱に置いている…

黒毛和種の繁殖成績を向上させる飼養管理についての講習会

今日は、北海道肉牛研究懇話会様主催の「黒毛和種の繁殖成績を向上させる飼養管理」について、有難いことにZOOMによる講師を担当させていただきました。 話の流れは、以下でした。 ①栄養成分の見方 ②第一胃でのタンパク質代謝が肝臓に与える影響 ③代謝プロフ…

クリプトスポリジウム感染症に対する考え方②

引用元 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 「クリプトスポリジウムによる下痢症と診断した子牛に対して、抗生物質を投与するかしないか」は、長きにわたり臨床現場の獣医師の間でも見解が様々だと思います。 そのため、時間を惜しまず、丁寧に糞便塗抹をして糞便中の…

クリプトスポリジウム感染症に対する考え方①

引用元 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 子牛の下痢の中でも、クリプトスポリジムによる下痢は脱水が強くて速く、非常にやっかいで、悩んでいらっしゃる生産者の方がいると思います。しかしながら細菌やウイルスと違い、クリプトスポリジウムに対するワクチンやクリ…

初乳からの免疫が足りなかった子牛に対して

引用元pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 「初乳摂取がどうしても足りなかった子牛に対して、何かできることはない?」 農家さんからのこの相談に対する1つの方法の論文の紹介です。 生後2日目以降の14日間、代用乳に初乳粉末を追加する方法、2017年 ①糞便や呼吸器病…

初乳給与は1回よりも、数時間後に2回目を行った方がなぜ良いのか

引用元 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 最近、初乳について調べないといけない状況があり調べてみたら、非常に興味深い論文がありました。 「初乳給与は1回よりも、数時間後に2回目を行った方がなぜ良いのか」を示す論文の紹介です。 (結論) ①受動免疫移行不全 ↓ ②…