だいさく NOSAI獣医日記

強みをみつけ、チャレンジを与えられる獣医でありたい

論文の考察の書き方(過去の文献との比較)

連日のW杯のため、ほとんどの時間AbemaTVにくぎ付けの日々が続いている自分ですが、皆さまは寝不足は大丈夫でしょうか?

今回は、論文の書き方について、僭越ですが少しお話したいと思います。

この1年、日本の臨床獣医師の先生方が、日々忙しいなかの貴重な時間を使って作成され提出いただいた論文の査読を続けてさせていただいています。

その中で、最も多く共通して気になる点、について僭越ですが非常に大事なポイントだと思っていますので記していきたいと思います。

自分も非常に苦労したところでもあったので、これから論文を書こうと考えていらっしゃる臨床獣医師の先生方に、少しでも参考になれば幸いです。

この気になる点は、私が大学院時代の論文作成やプレゼンテーション時に、全然できていなくて、教授の先生方に指摘され、教えていただきました。

「考察」における話です。

考察では、結果を踏まえて本人の考えをまとめていくことが多いです。

そして、考察で最も重要なことが、自分の結果と過去の報告を比較して、「どこが同じなのか、どこが違うのか、どこが新しい点なのか」をストーリーの形にして読者や聴衆にわかりやすく伝えていくこと、だということを先生方から教えていただきました。

そこから、研究はなんのためにあるのか、症例報告はなんのためにあるのか、などを考える機会がたびたびあり、研究の意義についてたどり着いた自分の考えが、以下の内容です。

『研究』とは、先人の先生方によって積み重ねられた獣医療を基にしてさらに一歩前へ発展させ、既知の領域を広げ、自分を含めた世の中の獣医師が『勉強』可能な状態にすること。

なので、過去に報告された論文を新しい順に読み今現在どこまで調べられているのか調べられる限り「勉強」する必要があると自分は考えます。新しい論文から読む理由は、そこに記載されている参考文献からどんどん過去に戻っていけるからです。

査読させていただく論文は、どれも本人の考えは非常に理論的で納得させられる素晴らしい内容で、有難くいつも自分が勉強させてもらっています。

しかしながら、過去の文献との比較がない、また、比較しても日本語の文献のみ、と、大変申し訳ないですが、「論文」という形においては、大事な点が抜けていることが多いと感じます。

牛や牛を診る獣医師は、日本だけでなく世界中にいますので、世界中の牛の研究報告を調べることはやはり大事だと思います。

先日行われた学会でも、過去の文献を調べに調べた先生は、会場からの評価も高かったです。なので、論文だけでなくプレゼンテーションの場面でも、伝わるためにはストーリーも重要だと思いました。

初めて論文を書こうと考えていらっしゃる臨床獣医師の先生方やプレゼンや論文で悩んでいる先生方に、本内容が少しでも参考になれば幸いです。