だいさく 大動物獣医日記

強みをみつけ、チャレンジを与えられる獣医でありたい

繁殖

いつ排卵するか予測できるか?(人工授精タイミングについての総説の紹介)

授精タイミングはいつが良いか、繁殖検診を一緒に実施している先生と話になり、次の日排卵していなくて連続授精やまだ早いと判断したら排卵させてしまった牛がいて、力不足を痛感しました。なので、今一度できる範囲で勉強し直しました。 発情を示したことで…

エストラジオールフリーの排卵同期化について

オブシンクと同様に、エストラジオールとプロジェステロン(シダーやプリッド等)を併用したプログラムは、牛の排卵同期化プログラムとして、開発からおよそ30年の歴史があります。 一方、エストラジオールは日本国内、南米では現在も利用が可能ではあります…

VWPを再考する➀・・・(あくまで個人的な見解です)

VWP(Voluntary Waiting Period)は、搾乳牛では分娩後何日に設定することが良いのでしょうか? 私の結論は、正直決まっておらず、生産者さんの考え方、個体ごとの牛の状況、牛群のの状況、診療所の状況、などで考えるようにしています。それが良いのかどう…

繁殖検診で見落としやすい排卵後の卵巣所見(個人的な感想です)

今日は、繁殖検診で見落としやすい、けど非常に重要と個人的に考えている卵巣所見についてご紹介します。 見落としやすい所見は、「排卵後1日から2日の卵巣」です。 まずは、動画をご覧願います。 www.youtube.com 「発情が来ない」の稟告で牛を診察したとし…

乳牛で双子妊娠を避けるためのホルモン処置の考え方

乳牛で双子妊娠を避けるためのホルモン処置の考え方

牛の繁殖検診における超音波検査の現地研修を担当させていただきました!

超音波検査研修の様子(B獣医師と現地先生方) 充実の一週間でした。 今週の月曜日から金曜日まで、一地域において、牛の繁殖検診の研修を担当させていただきました。 7つの診療所に伺い、それぞれの地域で検診を実施されている7農家さんの御協力をいただき…

牛の妊娠診断への考え方

妊娠診断(pregnancy diagnosis)は日常的に行われるものとして、牛の繁殖管理に組み込まれています。なので、特別なことではないのですが、目的、考え方には様々あるかなと思います。 様々な論文や雑誌の記事等で拝見する最も多いのは、以下の目的、考え方…

黒毛和種における発情周期ステージ推測の難しさを痛感

今日、黒毛和種農家さんで繁殖検診を実施しました。 その中で1頭、発情周期のステージ診断の難しさを痛感し、改めて論文等書籍を含め調べなおし、留めておこうと思いました。 分娩後39日、フレッシュチェック、子宮回復は良、子宮内膜浮腫なし、筋層厚さあり…

乳検を活用した繁殖管理、の講義を担当させていただきました

「乳検を活用した繁殖管理」と題して、酪農家さん向けに講習会を担当させていただく機会を頂きました。時間は30分から1時間です。 地元の先生と内容について検討させていただいた結果、深い話ではなく、繁殖管理に関して、乳検を見てみようと、触ってみよう…

PGF2α投与後3日で授精と固定するのは危険の理由(症例から紹介)

「黄体があったらPGF2αを投与して、3日後に授精」、は日本でよく聞きます。また、「黄体と大きな卵胞があったら、その卵胞で発情が来て授精する」ということも良くみられる診療現場と推察します。 この場合、上手くいくこともありますが、もし実施する場…

標的型繁殖管理(TRM:Targeted reproduction management)

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 2025年11月と最新のドイツの論文ですが、日本(自分だけかもしれませんが・・・)の繁殖管理において、考え方が非常に共感する内容でした。 自動活動モニタリングシステム(センサー)を使用して発情を検出することに関して研究され…

PGF2αに対する第1と第2卵胞波の反応性の違い

発情同期化や定時人工授精について、昨年度から講義を担当させていただいていますが、その中で最初にお伝えしていますのが、PGF2αの使い方です。その理由としまして、「PGF2αを投与して発情同期化を行い、人工授精へ向かう」、というホルモン処置につ…

PGF2α投与後、慣例的に3日で授精で良いのか?(未経産牛)

牛において、PGF2α投与3日後に授精、ということが慣例的に実施されることがあります。 一方、個人的には、未経産牛においてPGF2αを投与した場合、投与2日後で発情が来て授精、という形になる牛も結構いることを実感しています。今回PGF2α投与3日後…

カラードップラーでみた活動中の卵胞の血流

発情周期のステージを推測するために超音波検査を用いる場合、私は卵胞ウェーブ、黄体、子宮を観察しています。白黒のBモードでいつも実施しているのですが、今回カラードップラーを使った場合はどのような世界が見えるのか、ちょっと試してみました。 個人…

発情周期のステージ診断(排卵翌日、排卵10日目、排卵12日目)の実践例

発情周期のステージ診断(推測)として、3頭、超音波検査を実施しました。 全て別々の牛で申し訳ないですが、各ステージの主要な特徴を捉えていましたので、皆さんと共有したいと思い動画を撮ってみましたので、ご参考になれば幸いです。 それぞれの動画は以…

日本繁殖生物学会に参加してきました!

東京農業大学での第118回日本繁殖生物学会 東京農業大学で行われました第118回日本繁殖生物学会に今年も参加させていただきました。 繁殖、生殖業界で御活躍の研究者の方々における、研究の着眼点、何が今研究されているのか、具体的な研究方法、プレゼン方…

繁殖も個体診療がベース、「診断」が重要

熱がある ➔ 抗生物質 黄体がある ➔ PGF2α この二つは同じような考え方で、医療にとって大事なことが共に欠けていると私は思っています。 それは、診断です。 なぜ熱があるのか、熱があればどのような病気・状態が考えられるのか、熱以外の他の症状も考慮し、…

排卵24時間以内に入ったときの卵胞波の超音波所見(今後の可能性を期待)

最近よく思うのですが、排卵するタイミングが「客観的に」今よりも正確に推測できれば、授精のタイミングもより適切になり、受胎性アップにつながるのではないかと思い色々模索しています。 今回、文献等を参考に自分でもちょっと調べてみました。 添付の動…

形成期黄体は、超音波ではやや黒く映る

排卵5日目の黄体 発情周期のステージを推測するにあたり、利用する所見の例として、卵胞ウェーブ、黄体、子宮があります。 今回は黄体の特徴を見てみたいと思います。 発情周期の前半である黄体形成期の黄体は、超音波でみると、周りよりも少し黒みのある組…

黒毛和牛のE2-CIDRプログラムの注意点(最近出会った症例から)

黒毛和牛のE2-CIDRプログラムを実施された牛の授精のため、初めて向かった農家さんのA牛でこのようなことが2日前にありました。 農家さん自身で一昨日にCIDR抜いてPG投与して、昨日E2を投与した牛、今日が授精予定日でした。粘液はわずかに出ていましたが、…

超音波検査で診るフレッシュチェック時の子宮状態スコアと繁殖成績の関係

前回、前々回の記事に続いて、分娩後のフレッシュチェック時における子宮の状態について、ちょっと頭を整理したいと思い少しまとめてみました。 検査方法としては、 ➀超音波検査 ➁腟分泌物検査(直検手袋使用) ➂メトリチェック ➃サイトブラシ ➄子宮洗浄液 ⑥…

フレッシュチェックで診るポイント(排卵と子宮内膜炎の有無)

前回のブログに続きまして、フレッシュチェック時に診るポイントとして、 ➀子宮内膜炎があるかどうか ➁排卵しているかどうか をみることが大事だと思っています。 その理由としては、子宮内膜炎や排卵の有無の状態は、受胎率や受胎するまでの時間に影響を与…

フレッシュチェックは分娩後いつごろから始めたら良いか?

定期的な繁殖検診を実施されている獣医師の先生方や農家さんの間で、 ➀ フレッシュチェックをするかどうか、 ➁ するなら分娩後いつぐらいから実施するか、 ➂ 実施するなら検査方法や間隔、治療はどうするか、 などを話し合う機会があると思われます。 これら…

胚死滅はいつ起きるのか?

卵子と精子が受精した後、そのまま次の分娩まで受精卵が生き残り、胎児になり、無事に生まれることができれば本当に有難いのですが、途中でいなくなったりと、そうは中々上手くいかないこともあります。 いなくなるタイミングがいつなのかをメタ分析で検討さ…

発育中?閉鎖中? 主席卵胞の見分け方(超音波検査)

繁殖検診では、検査した牛が発情周期のどのあたりにいるのか、21日周期のどのあたりにいるのかと、発情周期のステージ推測を行う時があります。 その時、黄体は2つよりも1つのことが多いですが、卵胞は大小様々存在し、卵胞の中には、現在発育中で活力のある…

授精後20日前後で不受胎牛を見つけるための超音波検査法

最近、ついにカラードップラー付きのワイヤレス超音波検査機器を導入できました。 そこで、繁殖管理においてカラードップラーで何ができるのか?をちょっと勉強してみようと思います。 ➀ET時の黄体血流 ➁授精後20日前後で不受胎牛を見つける ➂卵胞嚢腫の見…

受精卵移植(ET)の受胎率向上作戦(文献紹介)

同期化された泌乳牛における、受精卵移植時の受胎率向上作戦として、興味深い文献(2023年)がありました。 高いP4(プロジェステロン)濃度下で卵胞が発育し、授精時は限りなく低いP4濃度で授精する、という流れが泌乳牛の人工授精(AI)での受胎性にと…

妊娠鑑定でマイナス時、PGF2αを投与したら発情はいつ来る?

妊娠診断(鑑定)で陰性だった場合、黄体があったらPGF2αを投与することは多いと思われます。 今回は、そのような場合に発情がどのくらいで現れるかについての文献がありましたので紹介します(1) 妊娠診断で陰性時に23mm以上の黄体がありPGF2αを投…

5日間と7日間の排卵同期化プログラムの違い

排卵同期化プログラムの中で、教科書的にも最も有名なのはオブシンクと思われます。しかしながら、オブシンクは受胎率を求る場合、使える発情ステージに制限(発情周期の6日から9日くらい:第1卵胞波で主席性卵胞が存在する時)があり、そのためなかなか利用…

PGF2αの投与を立ち止まる卵巣所見(動画で紹介)

発情が来ない牛に対して、PGF2αを投与することは多くの獣医師が行われていますが、注意しないといけないポイントがいくつかあると私は思っています。 今日はその点について私が日々思っていることを動画を交えながらお伝えしたいと思います。 その一つが…