だいさく NOSAI獣医日記

強みをみつけ、チャレンジを与えられる獣医でありたい

授精5日後のhCG投与時の卵巣所見は・・・受胎率に影響する

なかなか受胎しない牛や、受精卵移植をするときに、授精または発情5日後に、hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)を投与したり、CIDRを挿入したりして受胎率を向上させようとする技術は多くの獣医師や農家さんが使用されていると思います。自分もかなり使用し…

子牛がミネラルを舐めるのはなぜか?

この2日間で体重の話を続けていますが、生まれた子牛たちの体重や体格についてもちょっと考えることがありました。 生後7日くらいから14日の母牛同居の黒毛和種子牛で、下痢で悩まれている農家さんがいらっしゃいました。その農家さんから、餌箱に置いている…

体重・体格の重要性

昨日は黒毛和種繁殖牛の体重を意識することの重要性について少しお話させていただきましたが、そこに特に触れたのは、一昨日にきくち酪農コンサルティングの菊池実先生の講習会を受講した影響がありました。今の乳牛は改良に改良され、明らかに体格が大きく…

黒毛和種の繁殖成績を向上させる飼養管理についての講習会

今日は、北海道肉牛研究懇話会様主催の「黒毛和種の繁殖成績を向上させる飼養管理」について、有難いことにZOOMによる講師を担当させていただきました。 話の流れは、以下でした。 ①栄養成分の見方 ②第一胃でのタンパク質代謝が肝臓に与える影響 ③代謝プロフ…

クリプトスポリジウム感染症に対する考え方②

引用元 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 「クリプトスポリジウムによる下痢症と診断した子牛に対して、抗生物質を投与するかしないか」は、長きにわたり臨床現場の獣医師の間でも見解が様々だと思います。 そのため、時間を惜しまず、丁寧に糞便塗抹をして糞便中の…

クリプトスポリジウム感染症に対する考え方①

引用元 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 子牛の下痢の中でも、クリプトスポリジムによる下痢は脱水が強くて速く、非常にやっかいで、悩んでいらっしゃる生産者の方がいると思います。しかしながら細菌やウイルスと違い、クリプトスポリジウムに対するワクチンやクリ…

目的と手段

Twitterのプロフィール画像と背景を何にしようかとしばらく考えて、決まりました。 「博士号証明書」と「研究の原点」にしました。 ①博士号証明書について 大学院に社会人入学した目的は、博士号取得が目的ではなく、博士号取得は目的を叶えるための手段でし…

妊娠後半の母牛の栄養管理と初乳免疫(IgG)の関係

引用元 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 妊娠後半の母牛の栄養管理は子牛にとって非常に重要であると言われ続けていますが、それに関するレヴュー論文(2020年)があったので読んでみました。 その中で、古い論文でしたが、3つ参考になるものがありました。 ①J. Ani…

初乳からの免疫が足りなかった子牛に対して

引用元pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 「初乳摂取がどうしても足りなかった子牛に対して、何かできることはない?」 農家さんからのこの相談に対する1つの方法の論文の紹介です。 生後2日目以降の14日間、代用乳に初乳粉末を追加する方法、2017年 ①糞便や呼吸器病…

続けることの大切さ

『続けた先に何か見えるものがある』 昔から「継続は力なり」と耳にたこができるほど言い伝えられてきましたが、継続することがいかに大切かを、改めて家族で話し合うことができました。 12月4日放送の炎の体育会TVで、柔道オリンピック2連覇、日本の柔道精…