だいさく NOSAI獣医日記

強みをみつけ、チャレンジを与えられる獣医でありたい

黒毛和種の繁殖成績を向上させる飼養管理についての講習会

今日は、北海道肉牛研究懇話会様主催の「黒毛和種の繁殖成績を向上させる飼養管理」について、有難いことにZOOMによる講師を担当させていただきました。

話の流れは、以下でした。

①栄養成分の見方

②第一胃でのタンパク質代謝が肝臓に与える影響

代謝プロファイルテストと飼料設計により繁殖成績の改善を試みた2農場

代謝プロファイルテストと飼料設計により子牛の疾病予防を試みた1農場

 

4年前、何もないところから、ネットで検索してヒットした先生方に相談したりして手探りで行ってきました。その中で、自分が実際の農家さんで行ってきた成功例、失敗例(大変申し訳ございません)、紹介論文などを、2時間頂き説明させていただきました。

繁殖和牛の体格が以前よりも明らかに大きくなり、それによって牛が求める量も増加しているため、牛たちが過不足なく満足に食べられる環境作りをより意識することが大切だと思います。そうしないと、繁殖や子牛に栄養を回せない可能性が以前よりも高いと自分は思います。

飼料計算や設計するにあたっても、いろいろな講習会や論文では体重が450㎏や500㎏を想定されていますが、実際に胸囲から推定体重を計算してみると、授乳中は600㎏はざらで、妊娠末期だと650㎏、大きい牛だと760㎏でした。以前よりも明らかに牛が大きくなっています。

その体重を養える量をしっかり食べている牛は、やはり調子が良いです。たとえタンパク質と炭水化物のバランスがとれていても、満足に食べれていない牛が多い場合は、どこに問題があるのか、現状を把握することが重要なことの一つだと自分は考えます。

体格が大きくなるということは、ミネラルやビタミンの要求量も多くなっている可能性が高いと言われていますし、自分もその可能性はあるかもと感じます。農家さんや獣医師の中には、ミネラルやビタミンの大事さを強く述べられている方も増えてきたなぁと感じます。しかしながら、自分はまだ詳しく調べていないので、このあたりも調べていけば農家さんにより良い貢献ができるかもしれないです。

質問タイムも30分ありましたが、たくさん頂いたおかげで、30分が有意義な時間でした。

講習会までや講習会当日の準備など、事務局の方々には大変お世話になりました。本当にありがとうございました。