だいさく NOSAI獣医日記

強みをみつけ、チャレンジを与えられる獣医でありたい

体重・体格の重要性

昨日は黒毛和種繁殖牛の体重を意識することの重要性について少しお話させていただきましたが、そこに特に触れたのは、一昨日にきくち酪農コンサルティングの菊池実先生の講習会を受講した影響がありました。今の乳牛は改良に改良され、明らかに体格が大きくなり、高乳量が出るような能力を持ったとのことです。食べるから乳量が多いのではなく、乳量が多いから食べないといけないというのが、考え方として大事であると教えていただきました。

これは、デイリーコンサルティングの安井喬先生も、「体重は、あらゆる飼料計算ソフトにおいてインプット項目の中の最重要項目の一つと認識」と記されています。

 引用元 https://dairyconsulting.wixsite.com/dairyconsulting/diet-formulation

予測乾物摂取量 DMI(kg/d)=(0.372×FCM+0.0968×BW)×(1-e(-0.192×(WOL+3.67))) で示されるように、BW=体重は重要な情報の一つになります。

菊池先生の講習会はいつも本当に勉強になります。前回は、「飲んで食ってごろり」がキーワードでしたが、今回は体格を意識した栄養管理、特にビタミン・ミネラル(カルシウムも大事ですがそのカルシウムの吸収などに影響を及ぼす他の微量ミネラルについて)が現代の体重では以前の給与量ではかなり不足し、また乾草中はビタミンやミネラルが非常に少なくなっていることを注意され、非常に印象に残りました。

また、菊池先生は、初産分娩時にしっかりとした体格、体重に成長させておくことがその牛の今後の健康や生涯乳量に重要であると話されていました。そのためには、生後最初の3日間が非常に重要で、この3日間は今後どうやっても補えない時期なので、初乳の管理を含め、この3日間が牛たちに備わっている成長能力を100%果たすためには重要な時期であることを強調されていました。

繁殖牛や搾乳牛の、体重や体格について考える機会を有難いことにこの2日間みっちり頂いたので、復習し、実践へ結び付けたいです。