だいさく NOSAI獣医日記

強みをみつけ、チャレンジを与えられる獣医でありたい

研究

発情周期のステージを推測するには(今日は排卵して何日目?)

「授精しなければ妊娠しない」 分娩後これから授精に向かいたい牛、分娩後日数がたっても発情が来ない牛、妊娠鑑定で陰性だった牛、これらの牛たちを授精に向かうために、獣医師はいろいろ考えると思います。 繁殖管理に対する、獣医師の思想、牛群の規模や…

新しい卵胞波はいつごろ出現するか?(EB-CIDR編)

CIDRと安息香酸エストラジオール(EB)製剤を併用した排卵同期化プログラムにおいて、「新しい卵胞波がいつごろ出現するのか」は、自分も気になるし、このプログラムを利用されている方々の気になるところなのではと思います。 自分が調べる限り、次の3つが…

PG-PG-GnRH ショートシンク法

これまで、排卵同期化プログラムについて、①と②について説明させていただきました。今回は、PGF2α(以下PG)とGnRHを利用してより短期間で授精に向かうことができる③について、自分が後輩に教えることが出来る程度にまとめてみました。 CIDRとエストラジオー…

オブシンクで高い受胎率を得るために

オブシンクが開発されて27年経過しますが、「高い受胎率を得るために」、世界中で様々なアイデア、試験が報告されています。 乳牛での利用が多いので、乳牛に関するこれまでの文献を参考に、自分が後輩に教えられる程度にまとめてみました。 報告されている…

CIDRと安息香酸エストラジオールを使った発情同期化の理論

牛の飼養管理や栄養状態を改善し、自然発情がしっかり来て、それによる人工授精という流れが最も大事であることは確かだと自分は思います。しかし、発情が来ない・妊娠しない牛に対する薬剤を使った繁殖管理が、現時点ではまだ重要な役割を果たしていること…

卵胞が主席性を獲得してからの期間と受胎性

昨日は、プロジェステロン(P4)の留置期間について考察しました。 これまで、卵胞が発育する過程におけるP4濃度はLH濃度(卵胞を発育させるホルモン)に影響を与えることが知られており、結果卵胞サイズや卵子の成熟後にも影響を与えることが分かっています…

膣内プロジェステロン製剤の留置期間は何日がいい?

牛の繁殖プログラムで使用する膣内に挿入する薬剤で2019年に発売されたプリッドデルタを使用されたい農家さんがいらっしゃったので、自分は初めての使用だったためどんなものなのか調べてみようと思いました。 自分は牛の繁殖で博士号を取得させていただいた…

最新論文タイトル紹介(2021年11月号)

毎月、自分が所属するNOSAIの掲示板に、自分がちょっとだけ自分の強みだと感じている分野である牛の繁殖や栄養、子牛について自分が興味をもった最新の論文のタイトルを獣医師仲間に紹介させていただいているのですが、今月からはこのブログでも紹介させてい…

授精5日後のhCG投与時の卵巣所見は・・・受胎率に影響する

なかなか受胎しない牛や、受精卵移植をするときに、授精または発情5日後に、hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)を投与したり、CIDRを挿入したりして受胎率を向上させようとする技術は多くの獣医師や農家さんが使用されていると思います。自分もかなり使用し…

黒毛和種の繁殖成績を向上させる飼養管理についての講習会

今日は、北海道肉牛研究懇話会様主催の「黒毛和種の繁殖成績を向上させる飼養管理」について、有難いことにZOOMによる講師を担当させていただきました。 話の流れは、以下でした。 ①栄養成分の見方 ②第一胃でのタンパク質代謝が肝臓に与える影響 ③代謝プロフ…

目的と手段

Twitterのプロフィール画像と背景を何にしようかとしばらく考えて、決まりました。 「博士号証明書」と「研究の原点」にしました。 ①博士号証明書について 大学院に社会人入学した目的は、博士号取得が目的ではなく、博士号取得は目的を叶えるための手段でし…