だいさく NOSAI獣医日記

強みをみつけ、チャレンジを与えられる獣医でありたい

妊娠鑑定でマイナス時、PGF2αを投与したら発情はいつ来る?

妊娠診断(鑑定)で陰性だった場合、黄体があったらPGF2αを投与することは多いと思われます。

今回は、そのような場合に発情がどのくらいで現れるかについての文献がありましたので紹介します(1)

妊娠診断で陰性時に23mm以上の黄体がありPGF2αを投与した場合の発情のバラツキ


黄体の大きさを23mm以上にこの文献では設定していました。

まずは287頭中141頭(49%)が発情が来た(首に取り付ける電子センサー)とのことです。

この社会では、なぜかルーチン的に3日目の授精、などよくありますが、実際は以下のようにバラツキが大きかったです。

0~2日目は、2%

3日目は、31/141頭 22%

4日目は、48/141頭 34%

5~6日目は、19%

7日目以上は、22%

大きくまとめると、

3~4日で60%5日以上は40%

といったとこでしょうか。

受胎率が変わらなければまだ良いのですが、そうでもなく、PGF2α投与から発情までの日数も受胎率に影響を与えるとのことです(2)。

なので、なぜバラツキがでてしまうのか、PGF2αをどのように投与すればより良い結果を生み出せるのか、そのようなことを考えて繁殖検診に挑みたいです。

今日も最後までおよみいただきありがとうございます。

 

参考文献

(1)J A A McArt, L S Caixeta, V S Machado et al., 2010, Ovsynch versus Ultrasynch: reproductive efficacy of a dairy cattle synchronization protocol incorporating corpus luteum function, J Dairy Sci. 93, 2525-2532

(2)V Phong, T Fujikawa, K Kawano, 2023, Effects of prostaglandin F2α treatment at follicular wave emergence on endometrial epidermal growth factor concentration on day 3 of the next estrous cycle and on fertility in dairy cows, Theriogenology, 212, 189-196